
通っている保育園や幼稚園から、お子様の行動で気になることが多いと言われるとか、3歳児健診で発達の遅れが気になると指摘されるなど、自分の子どもに発達の遅れがあるのでは?と感じる機会はあります。他者からの指摘だけでなく、保護者様が周りのお子様と比較して気になりだすことも多いです。また、第一子だと気づきにくいですが、「なんか子育てがしにくい」と感じるなかで、関係機関に相談したのちに発達の遅れについて分かる場合もあります。
お子様の発達の遅れが気になる場合にすること
役所の子育て窓口に相談
まずは、市役所や区役所に相談することをします。役所には「子育て支援」などを担当する部署があり、そこでお子様の発達に関する相談にのってくれます。役所では、発達を担当する「心理士」や医療的な観点から担当する「保健師」がいることが多いので、場合によってはそれらの専門職員の方を交えながら相談することができます。
参考までに、大阪市の東淀川区役所、淀川区役所、北区役所の担当一覧を以下にリンクします。直接区役所に相談にいくのもよいですし、一度お電話を差し上げてからでもよいと思います。担当部署が異なっていたとしても、適切な窓口を教えて頂けると思います。
児童精神科のある診療所に相談
また、役所から必要に応じて児童精神に詳しい診療所を紹介してくれることもあります。診療所では、お子様の様子を観察することや、保護者様から状況をお聞きする中で「診断」をしてくれます。また、ADHDの傾向が強い場合やお子様の年齢がある一定以上になっている場合は、「投薬」ということもしてくれます。投薬に関しては、実績が多くなっているものの、担当医師からの十分な説明やすり合わせは必ず行うことをお勧めします。
受給者証の取得
役所に相談するなかで、障害福祉サービスのなかにある「療育」を受ける必要性がある場合は、受給者証という障害福祉サービスの給付費を支給してもらうための証明書を発行することをお勧めします。療育は、未就学児であれば「児童発達支援事業所」、就学児であれば「放課後等デイサービス」で受けることができます。
これらのサービスは、自費でも受けることができますが、障害福祉サービスの給付費は利用料金の9割もしくは10割受け取ることができるため、受給者証を取得することで経済的負担が大幅に低減されます。
受給者証は、相談している役所の窓口で取得することができます。「子育て支援」をしている窓口と別窓口になる場合もありますが、役所内で滞りなく連携してくれます。
受給者証を取得するためには、以下のいずれかの条件に該当することを求められることが多いです。
- 医師の診断で、「自閉症スペクトラム」や「ADHD」などを診断される
- 療育手帳の判定機関(児童相談所など)で判定結果がでる
- 療育手帳を保持しているもしくは、保持できる判定結果がでる
受給者証取得の条件はありますが、発達の特性について明確に線引をすることは難しいので、保護者様が取得を希望することで受給者証は比較的取得しやすい傾向にあります。
相談支援事業所に相談
受給者証の取得にあたって、支援計画の提出が必要になります。支援計画の提出には2つの方法があります。ひとつは「セルフプラン」といって、文字通り保護者様が自らプランを立てることです。もうひとつは、相談支援事業所と呼ばれる事業所に依頼することです。つまり、相談支援事業所を利用する場合としない場合があります。
相談支援事業所は、支援計画の立案のほかに、その後療育を利用する場合には、療育をする事業所の選定(どの事業所にするか決定は保護者様)や療育の経過観察もします。また、家庭支援という側面で保護者様の子育て支援をするための情報提供や相談にのってくれます。また、複数事業所を利用する場合には、事業所間でお子様の情報共有をするための担当者会議などを主催し、複数事業所間でよりよい療育ができるように調整をします。
自治体によりますが、ほとんど「セルフプラン」の自治体もありますし、必ず相談支援事業所が支援するという自治体もあります。
児童発達支援事業所もしくは放課後等デイサービスに通所

役所で受給者証が取得できましたら、障害福祉サービスである「児童発達支援事業所」もしくは「放課後等デイサービス」に通所することができるようになります。初めて療育に通う場合は、どの事業所がいいか分からないと思います。
自治体によりますが、市役所や区役所の相談窓口でどのような事業所があるのか情報提供を受けることがあります。そのなかから、保護者様が事業所に連絡をして、見学や体験などを通じて事業所を決めることが多いです。また、相談支援事業所がお子様の様子を見て、最適な事業所をいくつか選定してくれることもします。その他、かかりつけ医からお勧めの事業所を聞くことや、身近で療育を利用している方がいたら評判を聞いてみるなど、情報収集をすることをお勧めします。
参考までに、大阪市東淀川区の児童発達支援事業所を以下で紹介しております。
記事:意外と知らない、東淀川区の児童発達支援事業所は何箇所ある?
療育とは?

療育とは、もともと「治療の教育」の造語から始まっています。いまでは、発達の遅れが気になるお子様への支援のことを指すようになっています。
療育は、もともと専門病院や一部の社会福祉法人で行われていました。2012年の児童福祉法改正により、「児童発達支援事業」や「放課後等デイサービス」ができたため、いまでは身近に療育を受けることができるようになっています。
療育については、様々の方法があります。また、これが療育という明確な定義はありません。