それって本当?発達障害もしくは発達に遅れがある子どもは最近増えているのか

子どもが教材を使って学んでいる

発達障害という言葉の認知度が上がっている

私は団塊ジュニア世代です。私たちの時代には発達障害という言葉すら認識していませんでした。この10年ぐらいで発達障害という言葉が一般的に浸透してきたように感じます。

発達障害は、2005年4月施行の「発達障害者支援法」によって明確に定義されました。それまでは、発達障害は精神障害の一部として扱われてきましたが、原因・症状ともに別であるため対処の方法も異なるということで、発達障害と精神障害が分けて定義されるようになりました。

この「発達障害支援法」は「特別支援教育」「就労支援」の根拠法となるため、この発達障害支援法の施行後、2007年度より「特別支援教育」の本格実施がなされ、障害種別に分かれていた盲・ろう・養護学校を「特別支援学校」と一本化し、一方で地域の通常学校内にあった特殊学級は「特別支援学級」という位置づけになりました。

障害者白書
出典:内閣府「平成30年度版障害者白書」より引用

特別支援教育制度が本格実施された2007年度では、特別支援学校・特別支援学級・通常級による指導については、学齢児比の2.01%であったのにもかかわらず、「平成27年度版障害者白書」では、この数字が3.33%、「30年度版障害者白書」では、4.2%と増加傾向にあります。

これは、発達障害の子どもが増えていると考えるより、制度がより整備され、そして認識されることで、多くの子どもが活用する場面が増えてきたと考えるほうが自然です。

確かに、医療技術の発達によって低出生体重における出産も可能になってきました。そして、低出生体重児は発達において様々なリスクがあることも確かです。ただ、常識的な見方をすれば、発達障害というものの認知度が上がったと見るほうが、この増加割合を説明するには納得感があります。

発達障害の子どもはどの程度いるの?

現在、発達障害もしくは発達に遅れがあると見られている子どもは、全体の6.5%いると言われています。

2003年に文部科学省による調査では、その割合は小・中学生の6.3%(男子8.9%,女子3.7%)という結果であった。2012年に発表された文部科学省の同様の調査結果では、6.5%(男子9.3%,女子3.6%)と10年前とほぼ同じ割合となった。つまり、前述における特別支援学級等の利用が進んでいるのはやはり認知度が原因と言えます。

検査結果では、発達障害もしくは発達に遅れがあると見られている子どもが6.5%いるのに対して、特別支援学校・特別支援学級・通常級による指導を利用している子どもは2018年時点でも4.2%しかいません。つまり、発達障害であっても特別な支援をしていない子どもが数%存在するということです。

なぜ発達の遅れがあるにもかかわらず特別な支援をしていないのか?

保育士と幼児が積み木で遊んでいる場面

それは、以下の2点に集約されると思います。

  1. 発達に遅れがあることに両親、教師が気づいていない
  2. 両親、教師は気づいているが、周りの目を気にして特別な支援をしていない

1の「発達に遅れがあることに両親、教師が気づいていない」というケースはおそらく少ないと思います。確かに年齢が上がらないと顕在化しない症状や兆候はありますが、小学生になっていればそのケースは稀であります。つまり、2の「両親、教師は気づいているが、周りの目を気にして特別な支援をしていない」が多くを占めていると思われます。

発達障害の改善には、幼児期・学童期の対策が効果的であると言われています。各家庭での事情はあるにせよ、子どもの発達に疑問をもっているのであれば専門家や特別な支援を受けることを推奨します。