家庭でもできる療育 発達障害の子ども向けのポーテージプログラム

両親が中心になって子どもの療育・発達支援をする

両親と子ども二人の家族

発達障害や発達に遅れのある子どもには、療育と言われる発達支援をすることが多くなってきています。療育は治療の教育ということで、文字通り発達障害の子どもたちが社会性を向上できるよう支援する取り組みとなります。

未就学児では、児童発達支援事業所、就学時では放課後等デイサービスで療育を受けることができます。こららの事業は補助事業となっているため、児童発達支援事業は無償、放課後等デイサービスは1割の自己負担で受けることができます。

これらの事業を活用しながら療育をすることは専門家の意見を聞きながらできるため、非常に有用だと思います。ただ、こららの事業所に子どもを通わせるのには時間的制限があります。つまり、事業所で療育を受ける時間より、両親と接している時間のほうがはるかに長いのです。よって、両親(保護者)が日常の生活場面のなかで指導や発達支援を行うことが肝要であります。

療育を行ううえで、「ポーテージプログラム」という手法があります。このプログラムは両親が直接発達支援をする点を特長としています。

療育に活用できるポーテージプログラムとは

1972年に、アメリカのウィスコンシン州ポーテージで作られた発達遅滞乳幼児のtめの早期教育プログラムが「ポーテージ早期教育ガイド」となり、その発祥となっています。この教育ガイドは世界の数多くの国と地域で活用されています。日本では1983年に「ポーテージ乳幼児教育プログラム」として翻案し、日本ポーテージ協会が普及してきました。そして、その後の20年余りの臨床経験をふまえて、2005年には「新版ポーテージ早期教育プログラム」を刊行しました。これが「ポーテージプログラム」となります。

「ポーテージプログラム」は、発達に遅れや偏りのある乳幼児の両親(保護者)が中心になって、0歳からの子どもの発達を支援する早期対応プログラムの総称です。

乳幼児期の子どもにとってもっとも自然な環境である家庭や日常生活のなかで、子どもの発達状態をアセスメントをして子どもの特別なニーズを捉え、それに応えるために指導計画を作成し、指導を展開してその結果を評価するという「アセスメントー指導ー評価の過程」を繰り返すことによって、早期からの子どもの発達を促進させるツールです。

ポーテージプログラムの3つの特長

ポーテージプログラムは子育ての現場でも使いやすいと評価を得ています。その理由としては、以下の3つの特長があるからです。

  1. 両親(保護者)の支援と日常生活での指導・療育
  2. 一人ひとりの子どもの発達に応じた個別のプログラム
  3. 子どもの指導に応用行動分析(ABA)の原理を適用する

両親の支援と日常生活での指導・療育

療育には、保育所や幼稚園、児童発達支援事業所などの施設を利用することは有用です。これらの施設には、専門家や経験値が豊かなスタッフがいるため、療育の基本的な知識や方法が学べます。

これらの施設の支援を仰ぐことに加えて、両親の主体的な支援が子どもにとっては非常によい効果を生みます。その理由として、以下の通りです。

  1. 乳幼児は、両親と接している時間が多い
  2. 子どもはなんと言っても両親から褒められるのが一番うれしい
  3. 子どもにとって家庭は自然な環境であり、学習効果が見込みやすい

一人ひとりの子どもの発達に応じた個別のプログラム

乳幼児の発達はその子どもそれぞれです。療育・発達支援をするためにまず必要なことは、子どもたちが得意なものは、苦手なものは何かを知ることです(アセスメント)。また、苦手なものはどの程度苦手にしているのか、なぜ苦手としているかなどを把握することで、支援のための的確な打ち手が見えてきます。

そして、アセスメントをもとに、その子どもに応じた個別プログラムを策定し、それを指導計画に落とし込みます。

子どもの指導に応用行動分析(ABA)の原理を適用する

子どもの行動の発達を促すために、指導の目標を行動目標として設定します。そしてその行動目標を達成するために、応用行動分析(ABA)の原理を適用します。行動目標は観察可能で測定可能な行動の用語を使って書き、指導の経過を記録します。

応用行動分析(ABA)についてはこちらを参照

ポーテージプログラムの流れ

ポーテージプログラムの流れは、他の療育プログラムと同様の流れになります。

ポーテージプログラムフロー
ポーテージプログラムのフロー

指導はまず現在の子どもの発達の状態を正しく捉えるために、チェックリストやその他の方法を用いてアセスメントすることから始めます。

チェックリストの情報をもとに、その子どもの課題を形成し、その課題を解決するために子どものニーズに合った行動目標を選び出します。そして、その行動目標を達成するための指導計画を作成し、実行したものを評価・改善するサイクルを繰り返します。

ポーテージプログラムアセスメント チェックリストを活用

ポーテージの特色としては、このチェックリストがひとつ挙げられます。「新版ポーテージプログラムチェックリスト」というものがNPO法人日本ポーテージ協会より発行されています。

タブレットで分析するビジネスマン

チェックリストは、6つの発達領域ごとに達成が目指される指導の目標が行動目標として挙げられています。6つの発達領域は「乳児期の発達」「社会性」「言語」「身辺自立」「認知」「運動」となります。

チェックリストは、現在の子どもの発達状態をアセスメントするときだけでなく、子どもに指導する行動目標を選ぶときや指導した結果を記録するときにも使えます。

発達状態のアセスメントは1回だけで終えるのではなく、何回かに分けて行うことで正確に実態を把握することができます。