自閉症スペクトラム、ADHD、発達障害など近年この辺りのワードについては、みなさんもよく聞くことと思います。ここでは、自閉症スペクトラムのお子様の特性について、どのような特性があるのかまとめていきたいと思います。
自閉症スペクトラムとは?
自閉症スペクトラムとは、発達障害の一つとなります。発達障害はその他、注意欠陥多動性(ADHD)と学習障害(LD)に分けられます。

診断名としては、それぞれ独立していますが、自閉症スペクトラムとADHDが併発することが多いなど、明確に分けて考えることはできないのが現状です。
スペクトラムとは、連続体という意味となり、自閉症スペクトラムの診断には明確な線引はありません。つまり、グレーゾーンや自閉症傾向があるなど、曖昧なところはでてきます。
ただ、自閉症スペクトラムという診断が出るか、出ないかという2者択一ではなく、そのお子様がどのような特性を持っていて、それが社会生活をするうえで大きく支障があるかないかが重要な観点となります。
自閉症スペクトラムの主な特性としては、対人とのコミュニケーションが苦手や、興味や関心に偏りがありこだわりの傾向が強いことなどがあります。
なぜ、このような特性を持つかと言うと、先天的な脳機能の特性だと言われています。ただ、これらの特性を持つこととなる関連遺伝子は数千を越えていると言われ、その根本的な原因究明には至っていません。
発症には、遺伝的要因と環境要因の2つが相互作用しているというのが現在有力な説となります。環境要因については、高年齢出産、妊娠中の喫煙など諸説ありますが、いずれも論拠が証明しにくい事象となるため、明確なところは分かっていないという状況です。つまり、自閉症スペクトラムは分かっていないことが多いのです。
自閉症スペクトラムのお子様の特性とは

自閉症スペクトラムのお子様において、その特性はひとりひとり異なりますが、主に以下のような特性を保持しやすいと言われています。
- 母親や療育者とのアイコンタクトが少ない
- 他者に向かって自分の関心物を指差ししない
- 共同注視という、他者と同一のものに注意や関心を向ける機能が発達しにくい
- 相手の表情を読み取る機能が乏しい
- 興味関心の幅が狭い。こだわりが強い
- 利き手の分化(決定)が遅れている(両手を使う時期が長い)
- 頭のなかで想像することが苦手
- 感覚過敏がある(光が苦手、特定の音や素材が苦手)
その他にも特性はありますが、主なものを挙げています。
これらの特性については、お子様によって顕著にでる特性とそうでないものもあります。また、自閉症スペクトラムとADHDは併発することが多いため、自閉症スペクトラムと診断されていても、ADHDの特性である多動や注意欠陥などの特性を持っていることもあります。つまり、お子様をよく知り、そのお子様に合わせた特性の把握およびその支援が必要となります。
集団生活におけるお子様の困りごと

自閉症スペクトラムといっても、その特性の濃淡は様々です。はっきりと分かるお子様もいれば、保育園や幼稚園もしくは小学校などでの集団生活において気づくケースもあります。いわゆるグレーゾーンにいるお子様はその特性に気づくことが遅くなってお子様への配慮が後手に回ってしまうケースも少なくはありません。
集団生活におけるお子様の様子を常に意識して、お子様が困っているというサインを見過ごさないことが重要です。
- 行動の切り替えができず、癇癪を起こすことがある
- 集団のなかで、何をしていいか分からず一人で別の行動をしていることが多い
- 発表会や運動会などの活動に参加できない
- 園や学校に行くことを拒む
これらの行動は、わがままと捉えられることも多いですが、お子様の特性によるところが多いという印象です。このようなケースで保護者様がお困りの場合は、専門の医師や行政の子育て相談窓口に相談することをお勧めします。
まとめ
ここでは、自閉症スペクトラムの概要に触れました。詳細については他の記事で説明していきます。この記事で押さえておきたいポイントは以下の点となります。
- 自閉症スペクトラムは連続体であるため、ここから自閉症という明確な線引はない
- 自閉症スペクトラムにおけるお子様の発達特性は様々であるため、そのお子様の特性を把握することが重要である
- お子様の特性により集団生活で躓くことがあるため、専門機関へ相談するなど第三者の協力を選択肢に入れる
また、別の記事で自閉症スペクトラムの詳細について発信していこうと思います。
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